第2回目の手術 そして退院へ ~慢性血栓塞栓性肺高血圧症CTEPHの闘病~

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第1回の手術に引き続き、妻の病気の経過のご報告です。

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バルーンカテーテル手術は1セット2回がオーソドックスなパターン

第2回目の手術は第1回目からちょうど1週間後に行いました。

病院の方針でカテーテル手術は大抵が2回を1セットとして行い、1回目の手術後に血液の流れ具合などを見ながら再度手術をするか検討するようです。

良好な1回目の手術後の経過

1セットであるにもかかわらず2回目の手術が行われないということは、1回目の手術で合併症を引き起こしたりして術後が芳しくないということになります。

その意味では1回目の手術の術後が順調で予定通り2回目の手術が受けられるだけで、良かったと考えておりました。

1回目の手術直後に手術室で画像と動画で執刀した先生からの説明を受けていたので、その状況を克明に知ることができて患者の家族としてもとても安心感がありました。

1回目の手術後、1日は集中治療室で24時間体制の経過観察をして頂きましたが、特に異常なところもなく順調に推移して一般病棟に移りました。

2回目の手術の方針

2回目の手術では前回とは少し治療方針が異なります。

初回の手術の注意点

前回の記事で触れました通り、このカテーテル手術で気を付けなければならないのが、合併症、特に『肺水腫』を引き起こすことなです。

『肺動脈圧』が最も上昇した状態で臨む第1回目の手術が特にそのリスクが高いことから、無理をせず慎重に行い『無事手術を終えること』がひとつの目的という側面がありました。

本格的な治療へ移行

第2回目も1回目と同じ先生が執刀して下さることになっていましたが、1回目の手術で特に障害になる問題はないと判断されたようで、2回目からは積極的に血管に詰まっている血栓の除去をしていくという方針を伝えられていました。

見えない血管の詰まりを治療する職人技のような手術

血管の詰まり具合は造影剤によるカテーテル検査による映像で確認するのですが、実は完全に詰まってしまうと血流が確認できず、その先のどこに血管が存在するのかがわからないのです。

要は「あるべきところ」に血管が『写っていない』ことから、『そこに詰まった血管が存在する』ことを確認する、という予測に基づく判断が要求されるようです。

シロウト考えではありますが、『見立て』には『経験値』が重要であるように感じました。

妻の肺の血管の様子

ちなみに私の妻はこの『見えない血管』が非常に広範囲にあるようでした。

肺は上から『上葉』『中葉』『下葉』と3つの部位に大まかに分けて考えますが、どの部位にも『見えるはずの場所に血管が写っていない』状況のようです。

血管の開通作業、それは時間との闘い

カテーテル手術はその一つづつに管を通してつぶしていくわけです。

但し、『あるべき見えない血管の経路』を予測しながら管を操作していくので、短時間にたくさんの血管の血栓を取り除く作業を『さばける』わけではありません。

患者の負担を考えるとかけられる時間にも限度があります。

執刀して下さる先生は『時間の許す限り』という表現をされていました。

そして2回目の手術が始まった

眠りこける家族

手術は急を要するような状況になることはあまり無いと思われましたので、私は待っている間、待合室でずっと寝ていました。

普段の疲れもあったせいか、完全に熟睡していました。

病院から渡されていたポケベルで目を覚ましました。

4時間の攻防の結果

今回は検査なしで臨んだようですので、4時間程度みっちり血栓除去作業をされていたのではないかと思います。

前回と同様に執刀して下さった先生が自らモニターを使って説明をして下さいました。

血管の開通を映像で体感

今回はかなりあちこちの血管にカテーテルを通して作業をされたようです。

そして、バルーンと呼ばれる風船を膨らませた直後に、見えなかった血管部分に『血が通い』血管が浮き出てくる映像を何か所分か見せて頂きました。

この映像を見ると、本当に「良くなっているんだ」という実感が持てて心強くなります。

次回につながる良い結果

今回は片側の肺だけを手術されたそうですが、大きな血管(太い肺動脈から出ている根本部分の血管)については大分開通度が高まったので次回はもう片方の肺を同様にやっていきたいということでした。

今回も大事をとって術後は集中治療室に入りましたが、経過は良好で1日で一般病棟に移ることができました。

そして手術から3日後には退院となりました。

前回もご報告しましたが、重要な指標として『肺動脈圧』がありますが、手術時に使う『造影剤』の影響などで一時的にこの『肺動脈圧』が高くなるそうです。

当初49㎜Hgあった肺動脈圧も最終的に34㎜Hgまで下がり、健康体とまではいきませんが危険な領域からは脱することができました。

薬も山ほど飲んでいますし酸素吸入器は常時していなくてはなりませんが、初めてこの病院に来た時には駐車場から病院の受付まですら歩くのがやっとであったあの時と比べたら格段に楽になっている様でした。

今後の課題と治療方針

詰まっている血管を丹念に開通させるしかない

先述の様に詰まっている血管はまだ沢山あるようで引き続き手術の必要もあります。

残念ながら、既に慢性化して血管に付着してしまっている血栓は血流で流れてしまうということは望めないようです。

従って、更に詰まっている血管を開通させるにはカテーテル手術などで外部からの力によって除去する作業が必要で丹念に取り除いていくしか無いようです。

3回、4回と手術で順調に取り除いて欲しいと思うものの

できれば体への負担が無い程度に手術を施して健康体になるまで除去作業を進めたいところですが、この手術の順番を待っている方が沢山いるそうです。

肺高血圧症にカテーテル手術が導入されてからまだ日が浅いせいもあり、この手術をできる施設は日本でもそんなに多くあるわけではありません。

他の病院からこの手術を受けるために転院してくる方も多数いらっしゃるようです。

ですから、その症状の深刻度合なども加味して手術の順番が決められているのかもしれません。

ひとまず深刻な状況から脱した妻の次の手術は年明けを予定しております。

それまでは薬の投与と酸素吸入器を使って自宅療養ということになります。

術後の自宅療養

自宅療養での生活

先生のお話では、手術をしてその効果が表れるのは時間が経ってからだということなので、経過を見て状況が良ければ車の運転をしても大丈夫だということです。

どの程度の労作をして良いかの判断基準の一つが「息切れが出ない程度」ということです。

また、『パルスオキシメータ』という、『血中酸素濃度』を測る機械で血中酸素が不足しないことを確認しながら『どの程度の労作をして良いか』を確認しながら徐々に日常生活を始めていくのも良い方法だそうです。

次回は、実際に購入した『パルスオキシメータ』のご紹介や自宅療養での酸素吸入器の生活などをご紹介したいと思います。

退院後の経過

先日、退院後に通院して1度目の検査をしましたが血管の詰まりが原因で悪化していた心不全もその数値が格段に良くなり更に私たちの気持ちを晴れやかにしてくれました。

適切な治療をすれば難病と言われていたって良くなる、それを同じ病気に向き合っている人たちにもっともっとお伝えできればいいなって思っています。

病気と闘っている患者さん、ご家族に伝えたいこと

今回、コメント欄で記事についてのご感想を頂く機会がありました。

ご主人が原因不明の息切れで苦労されていていろいろな検査を経て、ようやく『肺高血圧症』であることが判明され治療を始められた、というご報告を受けました。

私の記事を読んで参考にして下さっているということで、私としても少しでもお役にたててとても嬉しく思いました。

見えないところで進行する病気

病気は、まず『その症状の原因を特定すること』が大事だと、妻の2度の大病で痛感しております。

病気は治療をしないと『進行』してしまいます。

特に症状が比較的深刻であるにも関わらず『原因が特定できない』という理由で『経過を観る』という名のもとに『放置される危険』を私は身に染みて感じています。

時にはその原因を特定するのに何年もかかってしまう、なんてケースもあるということを知るにつけ、『諦めない』ということもとても大事だと感じています。

たまたま診断してもらっている医師がその病気を知らないというケースもありますし日々医療が進歩して、『原因不明』の病いが『病名のついた病気』に変わっていくということもあります。

原因が特定できない場合は、躊躇せず医療機関を変えてみることも必要だと思います。

前を見て進むしかない、でも頑張り過ぎない

ご本人も大変でしょうし、そんな辛い姿を見守る家族も辛いことでしょうが、どうか病気に向き合っている方々は『諦めず前を向いて』、そして心労でやられないように自分たちをうまくコントロールしながら頑張って欲しいと願っています。

私自身、常に頑張っているわけではありませんし、両親など周りの協力も大変助かっています。

子供たちも家事をいろいろと手伝ってくれております。

娘は洗濯等を、息子は炊事を主にしてくれています。

妻の病気が『息子の花婿修行』に一役買っていると考えれば、こんな生活も悪く無いかもしれません。

病気と向き合う方は大きな心で無理をせず、でも前を向いてお互い頑張りましょう!

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CTEPHのことを詳しく知りたい方は以下の記事をご覧下さい

この記事は執筆者Haruが運営するブログ「はるのたわごと」の引っ越しを目的に2013年9月17日に投稿した記事をリライトして当サイトに転載したものです。記事の時系列も初投稿時のままにしておりますのでご了承下さい。

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